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2015年に読んだ本ベスト10【10位〜6位】

はい!お久しぶりです。放置グセもここまでくると本当にどうにかしないといかん。
ぼやぼやしてたらいつの間にか2015年も終わってしまうらしく、本当にはやい。体感5分くらいだった。2015年。
ということで、私が今年読んだ本(今年出版された本に限らない)のベスト10をやってみたいと思います。実はFacebookとかで昔からやっていたんですが、もう顔の本は見たくないのでこっちでやります。これって10位から紹介したほうがいいのかな?ラジオみたいで楽しいからそうしますね。
長いので2部構成にします。まずは10位から6位まで。(5位〜1位はこちら

 

10. 残雪『黄泥街』

初・残雪先生だったんですが「出たよ〜〜〜デビュー作が怪物奴〜〜〜〜〜」って感じです。9割糞尿汚物の話ですが、ラストで荒廃した世界を更に崩したあとピントを絞って美しい物をただひとつ映すのはずるい!!やめて!!こういうのだいすき!!
古書値が高騰しており4千円で見つけた時に買っておけばよかったと激しく後悔している作品です。河出書房新社に復刊の祈りを捧げ、舞い踊るしかありません。
2016年は今出ている残雪作品をちまちま読んでまたお気に入りを見つけられたらいいなと思っています。
そして残雪作品を多く訳されている中国文学研究者の近藤直子さんが今年お亡くなりになりました。またひとり、世界は才能ある素晴らしい人を遠くの星に運び去ってしまいました。ご冥福をお祈りします。

黄泥街

黄泥街

 

 

9. アンディ・ウィアー『火星の人』

 今年のSFカテゴリだけで言ったら3位くらいに入る良作。来年には映画も公開で盛り上がっていますが映画公式のTwitterがただのじゃがいも作成日記になっているという、謎が謎を呼ぶ(呼ばない)火星SF。火星に一人で取り残された主人公がどうにかして地球に帰ってやるぜ、というお話なんだけどとにかく明るい。ひとりぼっちなのにユーモアとアイデアと知恵と仲間が残した娯楽をDisりながら楽しんだりすることで乗り切っていく主人公・ワトニーが最高にいい奴なんです。地味なヒーロー像もいいけど、こういう嫌味にならないユーモアに満ちたヒーローもやっぱりいいよね。映画化にもすごく向いている作品なので、来年の公開が楽しみ。リンクをKindleにしたのはジャケがこっちのほうが好きだからです。どうせ面白くて一気読みしちゃうので別に上下に分ける必要ないのにな〜〜。(新版は上下巻でジャケはいつだって宇宙に取り残されちゃうマット・デイモンのどアップです)

火星の人

火星の人

 

 

8. ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』

タイトルに似合わず(文体としては)ポップな連作短編集。でもテーマとしては「神の不在」、神が死んだあとの世界。しょっぱなからズギャンとやられます。難民キャンプに女性の姿で降り立つ神が、為す術もなく死んでゆくというお話で、とにかくこのフレーズにやられました。

爆弾が空を切り裂いて落ちる、落ちる。大地が揺れる。神は目を閉じた。誰かに祈ることさえできたなら。

Twitterに感想ちゃんと書いてたので載せておきます。

 

 あとは「小春日和」と「神を食べた犬へのインタビュー」もすごく好き、後者はめちゃくちゃ読みたくなるタイトルでしょ?読みましょう。

神は死んだ (エクス・リブリス)

神は死んだ (エクス・リブリス)

 

7. コーマック・マッカーシーザ・ロード 

 これがマッカーシーってやつか・・・世界にはどんだけ怪物がいるんだよ・・とクラクラしてしまった作品。ひたすら続く絶望と終末感、そしてあの美しく、とにかく美しくて何もかもが浄化されていくラスト。もう思い出すだけで泣きます。人生のベストに入るかもしれない。かもしれない、のはまだ『ブラッド・メリディアン』を積んでいるからです。マッカーシーの文体、読みにくいけど20頁も読めば慣れるので(たぶん)是非多くの人に読んでもらいたいなあ。

 失明したそうです。

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)

 

6. サミュエル・ベケット『サミュエル・ベケット短編小説集』 

ベケたんは『ゴトーを待ちながら』以来だったんだけどこの小説集、よくぞ復刊してくれた白水!!ありがとうございます!!戯曲もいいけど短編が珠玉すぎます。全篇通して(というかベケットのほぼ全作品を通して)どこかに行こうとしてどこにも行けない、ずうっとぐるぐるしちゃうのをあの手この手で書いてくるんだけど、白昼夢みたいで読んでいてとても気持ちいい。
でもその中で異色の短編があって、それが「たくさん」というタイトルの作品。珍しく女性が語り手で、老いた夫婦の回想と、別れ、これが本当に素晴らしいので立ち読みでもいいからこれだけでも読んで欲しい。どこにも行けないのは一緒ですが、ベケットの「書いてないのに書いてある」愛、みたいなものの残像が見えます。「そこにないもの」の残像が書けるのってほんとに上手い作家だけだと思うんだけどベケットはその中の数少ない一人。

サミュエル・ベケット短編小説集(新装復刊)

サミュエル・ベケット短編小説集(新装復刊)

 

以上、10位から6位までのご紹介でした。
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