2015年に読んだ本ベスト10【5位〜1位】

はい、というわけでね、6位まで紹介してきたわけですけれども。2015年に読んだ本ベスト10(2015年に出版された本とは限らない)。

それでは5位から1位までいきますよ。長いと思ってるでしょう!私もそう思ってます!

 

5. ハリ・クンズル『民のいない神

「神不在系」2冊め、(『ザ・ロード』もこのカテゴリかもしれない)こちらはロン・カリー・ジュニアよりは少し重めの長編。正確には民不在系か?(何だ民不在って)ちなみに裏表紙のあらすじを読んでも何一つわからないです。
カルト集団、幼児誘拐、金融危機、多民族その他諸々The・アメリカ!な要素がてんこ盛りな上に時系列はバラバラで読みにくいかと思いきや、面白くてスルスルいけちゃいます。ラストにかけてそれらのバラバラな物語が一点をめがけて収束していく感じと、「それでも結局なにもないよ、でもね」という物語のその「先」を見せてくれる素晴らしい小説でした。いつだって何もなくたって絶望したってその先を見せてほしいんだ、それが希望じゃなくても。

民のいない神 (エクス・リブリス)

民のいない神 (エクス・リブリス)

 

 

4. 上田岳弘『私の恋人』

太陽・惑星』に続く第二作。壮大なスケールと人称マジックはそのままに、『太陽・惑星』よりも「個人」に着地した作品。10万年前から思い続けた(多分もう概念としての)「恋人」への、これはラブレターです。

10万年前になした私の問いかけの答えさえ、それが眼前に現れると、きっと躊躇なく踏んづけて粉々にしてくれる、諦めをしらない、たまらなく可愛い、私の恋人。

 もうたまらないよね。全てをぐちゃぐちゃにして台無しにしてくれる恋人よ、あなたはとても醜くて不器用で、とても美しいよ。

私の恋人

私の恋人

 

 

 3. リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫』

今年、パワーズは『オルフェオ』も読んだのですがやはりこちらが圧倒的。残雪もそうですが「出たよ〜〜〜デビュー作が怪物奴〜〜〜〜〜(2)」です。20世紀アメリカ全部盛り。1枚の写真からはじまって、戦争も、写真論も、アメリカの擬似・ノスタルジーも、全部全部盛り込んじゃいましたっていうバケモノのデビュー作。それでも、ここまでの密度で情報量を注ぎ込んでも、「それしか、言えない」になるんですよ。「それでよしとせねばなるまい」って、圧倒的な文章と歴史で殴りつけておいて地に伏した我々の肩を叩き、遠くに射す光(みたいなもの)を見せてスッと立ち去るのかっこよすぎだよ。ギャン泣きしました。
周りでは『囚人のジレンマ』も人気なので2016年はこちらも読んでみたい。

舞踏会へ向かう三人の農夫

舞踏会へ向かう三人の農夫

 

 

2. ロベルト・ボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』

ボラこれ4冊目、でも私にとってはまともに読んだ初めてのボラーニョでした(『通話』をパラ読みして放置していた)。アメリカ大陸に生き、作品を残していった架空の作家たちの文芸評論という体で描かれた作品。なんで架空なの?全部読みたいんですけど??というくらい一人ひとりの作家たちとその作品が魅力的に描かれています。誰か同人誌としてこの架空の作家たちの作品を出しててくれ、絶対にスペイン語圏では出てるだろと信じてるのでスペイン語勉強してます(安直)。
そして何よりすごいのが、最後に収められている「忌わしきラミレス=ホフマン」で突然ボラーニョ自身が出てくるところ。メタフィクション、にはなるのかもしれないけれど、そういう括りで括りたくない、ボラーニョと彼の作品の間にある大きく硬い壁をドカンと崩されるような感覚、この読書体験は本当に稀有なものだと思う。そして、このラストの一篇が独立した作品として次のボラこれ『はるかな星』に収められるっていうこの粋な演出なんなんだよ。ニクい・・・ニクすぎる白水社、来年も白水税を収め続けます。『はるかな星』は目下読んでいる途中。読み終わるのは新年明けてからかしら。

アメリカ大陸のナチ文学 (ボラーニョ・コレクション)

アメリカ大陸のナチ文学 (ボラーニョ・コレクション)

 

  

1. ジョン ウィリアムズ『ストーナー』 

堂々1位はやっぱりこれ。2015年はこの本に出会えただけでも価値がありました。
こちらに関しては別途エントリを書いていますので、よろしければお読みください。

yoiyoru.hateblo.jp

 

以上、今年の10冊を2部構成でお届けしました。皆さんは今年、どんな素晴らしい本に出会えましたか?出会えた人も、出会えなかった人も、どうぞよいお年をお迎えくださいね。

来年こそはブログたくさん更新するぞ!!(誓)


ベスト10に入らなかったけれども、私が今年読んだ本一覧はこちらにありますので、もしご興味がありましたら覗いてみてください。選書の参考にしてくださると嬉しくてステップ踏んだりします。